Thursday, February 23, 2023 6:08 AM

テスラ、EV電池生産能力を独から米に移行中

 電気自動車(EV)大手テスラは、米国のEV購入者が7500ドルの連邦税額控除を受けられるよう、EV用電池の生産能力をドイツから米国に移している。

 エレクトレックによると、テスラは過去3年間、新しい4680型の円筒形電池製造に取り組んできた。同社の次世代EVはこの電池を使った新しい構造の電池パックを搭載する。現在は、カリフォルニア州フリーモントのパイロット工場で電池を製造しているが、「ギガファクトリー・テキサス」とドイツの「ギガファクトリー・ベルリン」でより大規模な電池生産を始めようとしている。

 2022年夏に米インフレ抑制法(IRA)が成立し、7500ドルの連邦税額控除を全額受けるには自動車メーカーが北米で電池を調達する必要があることが判明した頃、「テスラはギガファクトリー・ベルリンでの電池製造に問題を抱え、製造設備の米移転を検討している」という情報が流れた。テスラにとっては、ベルリンよりもギガファクトリー・テキサスの電池生産を増強する方が利点が大きい。

 ブランデンブルク州経済省は、テスラがすでにギガファクトリー・ベルリンで電池部品の生産を始めたことを認める声明を出したが、同社は米国での生産を優先して完全な電池の生産は控えているという。一方、ギガファクトリー・テキサスでは4680電池の生産増強を進めており、この電池は同工場における電動コンパクトSUV「モデルY」の増産と、23年内に発売する電動ピックアップ・トラック「サイバートラック」に使われる予定だ。