Tuesday, March 21, 2023 6:55 AM

中国のウィーライド、米国でIPO申請

 中国の広州を拠点とする自動運転技術開発の新興企業ウィーライド・テクノロジー(WeRide、文遠知行)が、米国で非公開の新規株式公開(IPO)を申請し、5億ドルの資金調達を目指していることが分かった。

 ブルームバーグ通信が関係者の話として報じたところによると、同社は現在、早ければ2023年上半期の上場に向けてアドバイザーと協力しているという。

 中国政府は、21年の配車サービス大手・滴滴出行(ディディ・チューシン)の米上場をきっかけに、機密データを持つ企業が海外で株式を販売することへの取り締まりを強化した。中国企業が米国でのIPOを再開できるようになったのはここ数カ月のことで、ウィーライドはこの問題に対応するため、計画中の米国上場に加わらない企業にデータ収集を委託する予定だという。

 IPO計画はまだ検討中であるため、規模や時期など詳細は変更される可能性もある。ウィーライドは22年、IPOの場所として米国や香港などを検討していると報じられていた。同社は、22年3月の資金調達ラウンドで約44億ドルと評価されている。

 中国では、習近平国家主席の公的な支援によって、半導体、人工知能(AI)、自動運転車(AV)分野などの民間企業が恩恵を受けると見られている。習主席は、米国や他の西側諸国による抑圧に直面する中でイノベーションを強化し、中国の技術的自立の確立に大きな役割を果たすよう、企業に促している。

 17年に設立されたウィーライドは、自律走行技術を開発しており、同社のウェブサイトによると世界の25以上の都市で技術をテストしている。自律走行ソフトウェアとハードウェアソリューションのほか、ロボタクシー、ミニバス、バン、道路清掃車などの車両も生産している。ルノー・日産・三菱アライアンスや広州汽車集団の支援を受けており、ボッシュやカーライル・グループも出資している。