Friday, March 31, 2023 11:57 AM

スナップ、法人向けAR技術ツール群を提供

 スナップチャット(Snapchat)の提供で知られる新興企業スナップは先日、ARエンタープライズ・サービシズ(AR Enterprise Services)という事業部を立ち上げ、会社らが拡張現実(AR)技術をそれぞれの事業展開に統合できるようにするツール群およびサービス群を市場投入する方針を明らかにした。

 リテイル・ダイヴ誌によると、同社はその計画のもと、独自の3Dヴューワー(3D Viewer)やARトライ=オン(AR Try-On)、フィット・ファインダー(Fit Finder)で構成されるショッピング・スイート(Shopping Suite)を小売業界向けに提供開始した。

 それらの新機能は、小売会社らがAR資産と関連サービスの創造と構築を実行できるようにすることで、新たな買い物体験を消費者らに提供できるようにするほか、販売状況の測定や分析も可能にする。

 スナップによると、ショッピング・スイート・ツール群の利用会社数はすでに300以上に達している。おもな利用会社には、ゴービー・キャシミア(Gobi Cashmere)やプリンセス・ポーリー(Princess Polly)といったアパレルおよびファッション・ブランドのほか、めがねブランドのグダー(Goodr)が含まれる。

 小売業界やファッション業界では近年、コーヴィッド19(COVID-19)パンデミックによって消費者が店舗から遠ざかったことを受けて、AR技術の応用を積極化させている。オンライン小売にAR技術を応用する動きはパンデミック前からあったが、パンデミックを機に加速した。スナップは、同技術の普及がパンデミックによってあと押しされる可能性に着目している。

 同社は、ARエンタープライズ・サービシズを立ち上げる以前から、AR技術をオンライン小売に統合するソリューションについてアメリカン・イーグルやプーマといったアパレル大手らの関心を引きつけていた。

 スナップとパブリシス・メディアの共同調査によると、小売およびアパレル業界ではAR技術によって返品が減り、売り上げが増加することが判明している。

 同社は、ARエンタープライズ・サービシズの立ち上げによって、AR技術を広範の業界に広めようとねらっている。ショッピング・スイートはその第一弾として小売業界向けに提供開始されたものだ。

https://www.retaildive.com/news/snap-augmented-reality-tech-tools-business/645924/