Tuesday, April 04, 2023 4:35 AM

キンツギ、うつや不安を声から検出するアプリケーションを発表

 健康管理ソリューションを提供する新興企業のキンツギ・マインドフル・ウェルネス(Kintsugi Mindful Wellness、カリフォルニア州拠点)は2月14日、精神衛生(メンタル・ヘルス)の管理向上を目的とした法人向けアプリケーション「キンツギ」を市場投入した。

 ベンチャービート誌によると、キンツギは、人工知能を使って声を分析することで、わずか20秒でうつや不安といった兆候を検出できるとうたっている。同社の人工知能モデルは言語に依存しないため、世界中で使うことができる。

 同社の社名は日本語の「金継ぎ」に由来している。陶磁器の割れ欠け、ひびの破損部分に金をはじめとする金属紛を施して装飾しながら接着する工芸技術だ。共同設立者のグレース・チャン氏が日本を訪れた際にそれを知り、その象徴的な意味に感銘を受けたという。

 「何かを修理および修繕する過程で、それまで以上に美しくすることができる。それを知って、精神衛生へのアクセスをすべての人に提供する新たな事業を起こす勇気が湧いた」と、同氏は説明している。同氏自身、精神衛生向上サービスを利用しようとして困難を感じた経験があるという。

 新型コロナウイルス・パンデミックの発生以来、全世界で精神衛生が注目されるようになった。米国では5300万人近くが精神衛生上の症状を患っているが、そのうち医療サービスを利用したのは46%と見積もられる。

 会社らもパンデミック中に、従業員たちの精神衛生の重要性を認識するようになった。世界保健機構によると、うつや不安による生産性の低下によって、全世界で1兆ドルの経済損失が計上されている。

 米国人材資源管理協会(Society for Human Resource Management)とその関連財団、および大塚製薬の米国法人が実施した調査では、企業の78%が現在、精神衛生関連の福利厚生を提供しており、人材資源管理担当者の94%が精神衛生関連の福利厚生を提供することで従業員らの全体的な健康が改善すると考えていることがわかった。

https://venturebeat.com/programming-development/how-ai-is-transforming-employee-wellness-benefits/