Monday, May 01, 2023 11:50 AM

世界3大クラウド、技術支出削減に直面

 世界3大クラウド電算サービス大手は昨今、顧客会社らのコスト削減策によって成長鈍化に直面している。

 同市場ではこれまで長年にわたって、世界中の会社らが自社のデータ・センターまたは電算室からクラウド・プラットフォームに移行し始めたことで好調な成長を続けてきた。しかし、ここ数ヵ月ほど、その成長に陰りが出てきた。

 CNBCによると、3大クラウド・サービス最大手のアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)と3位のグーグル・クラウド(Google Cloud)は先日、増収増益率の鈍化を報告した。

 景気後退の懸念が強まり始めた2022年からその傾向は表面化しつつあった。AWSでは2022年第3四半期と第4四半期に減速が確認された。前四半期には同業界2位のマイクロソフト・アジュール(Microsoft Azure)も成長鈍化が続くという見通しをエイミー・フッド最高財務責任者が発表した。

 アマゾンのアンディー・ジャシーCEOは、「経済の先行きが不透明の現在、会社らが技術支出に慎重姿勢を続けていることがわれわれの注視するところだ」と述べた。

 グーグルでは、クラウド・サービスの成長率が前期の32%から第1四半期には28%に鈍化した。アルファベットのルース・ポラット最高財務責任者は、「マクロ経済が懸念されるなか、顧客会社らがコスト最適化を追求しており、その結果、クラウド・サービス利用の成長が鈍化している」と説明した。それでも同市場は堅調な成長を維持している。

 しかし、技術市場全体にとってクラウド・サービス市場の成長鈍化はそれほど深刻ではない。AWSが技術サービス収入の大部分を占めるアマゾンにとっては喜ばしい統計ではないものの、「世界のIT支出の90%以上がまだ現場導入製品で占められる」とジャシー氏は指摘した。

https://www.cnbc.com/2023/04/30/cloud-providers-amazon-microsoft-and-google-face-spending-cuts.html