Wednesday, May 31, 2023 11:55 AM

スニファー・ロボティクス、メタン漏れ検査をドローンで効率化

 産業向けドローン新興企業のスニファー・ロボティクス(Sniffer Robotics)は、特許を取得したスニファードローン(SnifferDRONE)によって、産業現場の顧客を急激に増やしており、ドローンの産業応用を加速させる可能性がある。

 セカンド・ウェイヴ誌によると、ミシガン州アナーバーで2016年に起業された同社は、メタン・ガスの漏洩をドローンによって検出するサービスを展開し、これまでに28州の150以上の現場で1万6000ヵ所以上のガス漏れを特定した。

 産業施設でのメタン漏洩は一般的に、何人もの技師たちが長時間と労力をかけて検出および測定する高コストかつ危険な作業をともなう。スニファードローンはそれらの課題を一気に解決するもので、投資業界からも関心を集める存在になりつつある。

 同社は5月25日、シード・ラウンドの資金調達で200万ドルを集めたことを明らかにした。同ラウンドは、アナーバー・スパーク(Ann Arbor SPARK)とミシガン経済開発公社(Michigan Economic Development Corporation)が設立したミシガン・エンジェル・ファンド(Michigan Angel Fund)が主導した。

 スニファー・ロボティクスのアーサー・モアCEOは、今回の調達資金をさらなる開発と人材育成に投じる計画だ。

 同社は、温室効果ガスであるメタンの発生や放出を抑えるために、これまではおもに埋め立て地でのガス検出を市場としてきた。しかし、最近では、天然ガス業界のほか、木材や木くずといったバイオマス産業からも引き合いが強まっている。

 スニファードローンは、同社が独自に設計したソフトウェアや各種のシステム、機器類を市販ドローンに搭載したものだ。それらは、メタン検知器や柔軟ホース、ウェイト・ノズル、レーザー誘導システムのほか、飛行計画や飛行制御、データ管理用のソフトウェアで構成される。

 スニファードローンは、現場上空飛行中に空気サンプルを採取してメタン濃度を測定し、漏れ位置データ(最小ppmの閾値とGPS座標にもとづく)をモバイル・アプリケーションのスニファー・フィールド・オップス(Sniffer Field Ops)に通知する。現場の技師や担当者らはそれによって漏洩場所をすぐにつきとめて検査する。

https://www.secondwavemedia.com/concentrate/innovationnews/sniffer0683.aspx