Tuesday, August 22, 2023 4:33 AM

従業員たちが出社を嫌がる理由の一つは机の共用

 出社日数を増やそうとする雇用側の動きに抵抗感を示す勤め人たちが増えるなか、職場での机共用制度がその抵抗感の強まりに寄与している可能性があるとみられる。

 ベンチャービート誌によると、グーグルは「クラウド・オフィス・エヴォリューション(Cloud Office Evolution)」と称して、従業員らに固定席をあたえず、ほかの従業員らと机を共用する制度を導入した。

 同制度は、グーグルのワシントン州カークランドとニューヨーク市、サンフランシスコ、シアトル、カリフォルニア州サニーヴェールの米国内5ヵ所のオフィスでクラウド事業部門の従業員らを対象に導入された。それに対して従業員らの反発が噴出している。

 同制度の背景には、使われていないオフィス空間にかけるコストを削減するねらいがある。グーグルのサンダー・ピチャイCEOは、全従業員との会合の際に、「出社すると空席の机がずらりと並んでおり、幽霊街のように見えると言って不満を漏らす従業員らがつねにいる。決して心地良い体験ではない」と説明した。

 机共用制度に反発する従業員らはそれに対し、家族やペットの写真を飾って自分なりの就業空間を演出できないといった違いが、物質的な動機以上に大きいと訴えている。

 最近のギャロップの調査では、ハイブリッド勤務者の71%が以前よりもワーク=ライフ・バランスが向上したと回答した。燃え尽き症候群に陥らずに済んでいると回答した人の割り合いは58%、生産性が高まったと回答した人の割り合いは51%だった。

 シモンズ大学の調査では、自分の個性を職場で気兼ねなく出せるほど従業員の満足度と業務関与性が高まることが報告された。しかし、別のギャロップの調査では、米国の従業員の関与性が過去10年間で最低水準に落ち込んでいることもわかった。回答者の18%は、職場の活動や人間関係にまるで積極的に参加していないと答えた。遠隔労働の定着とそれらの因果関係はまだ明確ではない。

 今後、机共用化の傾向がどちらの方向に動くかは定かではないが、週5日出勤を嫌う従業員にとっては、遠隔勤務を主体とする会社への転職も選択肢となるだろう。ショッピファイやズームといった一部の技術大手らは現在でも基本的に遠隔勤務体制を維持している。

https://venturebeat.com/programming-development/the-new-reason-u-s-workers-dont-want-to-come-back-to-the-office/