Friday, September 29, 2023 11:45 AM

トランスファー、職能研修VRプラットフォームで躍進

 従業員の教育や研修、職能開発を目的とした仮想現実(VR)技術を提供する新興企業のトランスファー(Transfr、ニューヨーク市拠点)は、非営利団体から会社、政府機関、学校まで広範の組織にVRの技術とサービスを展開し、劇的な急成長を遂げている。

 テッククランチ誌によると、「事業を開始して3年未満だが、1州で一つの非営利団体のみにサービスを提供していた状況から、40州で多数の顧客を持つまでに成長した」と、設立者のバラニ・ラジャクマールCEOは話している。

 VRは話題性という点では最近やや下火になっているが、トランスファーは事業を着実に前進させてきた。同社はこれまでに、政府機関やフォーチュン500社の大企業のほか、職業訓練機関、小学校から大学まで「米国内1000ヵ所以上」に提供し、「40万回の模擬化研修を実施した」と説明している。

 同社の技術は、VRによる模擬化と実地訓練を組み合わせることで、製造業といった現場作業の研修を従業員らに提供できる。ラジャクマール氏によると、同社の研修機能は、高卒以上4年制大学未満のわゆる「ミドル・スキル」人材をおもな対象とする。その種の職能水準は米労働市場の半分近くを占めるが、適切な職能を持つ労働力は約40%だ、と同氏は説明した。

 トランスファーの躍進にはベンチャー・キャピタル投資業界も関心を寄せている。同社は9月28日、シリーズCの資金調達で4000万ドルを確保したことを明らかにした。今回の資金調達はABSキャピタル(ABS Capital)が主導し、JPモルガン・チェイス・インパクト・ファイナンス(JPMorgan Chase Impact Finance)やアドヴァイザリー(Advisory)らが参加した。同社の累積調達額は9000万ドルに達した。

 トランスファーは今後、経営陣の拡充を図るとともに、新たな研修用模擬化VRシステムの強化に調達資金を投じる計画だ。同社はまた、スペイン語を筆頭に英語以外での提供も視野に入れている。

https://techcrunch.com/2023/09/28/transfr-a-vr-platform-for-workforce-training-raises-40m/