Thursday, October 19, 2023 7:08 AM

フォード・現代もイドラのアルミ鋳造機に注目

 自動業界でダイキャスト技術へ関心が高まる中、イタリアのアルミ鋳造機メーカー大手イドラ(IDRA)は、フォードと現代(ヒョンデ)を顧客ベースに加えている。

 ロイターによると、「ギガプレス」とも呼ばれる同社の巨大な鋳造機を最初に導入したのは、電気自動車(EV)大手のテスラだった。テスラはこれでアンダーボディー(車のボディー下部)の部品を大型化しながら個数を減らして生産を合理化し、ロボットの作業まで減らしている。

 ギガプレスで鋳造された前後のアンダーボディー部品は、電池パックと組み合わされ、EVのスリーピース・シャーシ(部品3点からなるシャーシ)を形成している。

 最近、イタリア北部のトラバリアートにあるイドラの工場で開催された業界イベントでは、フォードのブランド名が記されたプレス力6000トン超のギガプレス「6100」が組み立てられ、試験が行われる様子が見られた。またその近くでは小さな家かテニスコートほどの大きさがあるイドラの最大かつ最新のモデル「9000」の試験も行われた。このギガプレスには顧客名がなかったが、関係者によると出荷先は現代グループだという。フォード、現代ともに、まず研究・開発(R&D)の目的でこれらを使うという。

 この関係者によると、イドラは欧州の高級自動車メーカー1社とも2台の「9000」を供給する契約を交渉中で、成立すれば欧州企業では初となる。

 テスラのソーシャルメディア投稿などによると、イドラはすでにテスラに14台の鋳造機を出荷しており、そのうちの2台は「9000」で、テキサス州のオースティン工場で大型の電動ピックアップトラック「サイバートラック」の生産に使われている。

 イドラはこれまでに25台の鋳造機を受注しており、すでに21台が生産され、ティア1サプライヤーを含む顧客に出荷されている。