Tuesday, December 19, 2023 9:10 AM

欧米のEV充電各社、一等地巡り争奪戦

 欧米では、電気自動車(EV)の公共充電ステーションに適した場所の争奪戦が始まっているが、今後は大手投資家の参入が増えて業界は統合に向かうと予想されている。

■魅力的な投資先

 ロイターによると、既存のEV充電サービス会社の多くは投資家の長期的支援を受けている。また、各国で化石燃料車の販売規制が予定され、インフラ投資家にとってこの分野の魅力は高まっており、さらに多くの事業立ち上げが見込まれている。

 フィンランドのEV充電器メーカー、ケンパワー(Kempower)のトミ・リスティマキCEOは「顧客を見ていると土地の争奪戦のようだ。今、最高の立地を手に入れた者が数年後の電力販売を確保できる」と指摘する。EV充電機器とソフトウェア開発大手チャージポイント(ChargePoint、カリフォルニア州)のマイケル・ヒューズ最高収入・商務責任者は「大手投資家の資金で統合が進み、将来の急速充電業界は現在とはかなり違ったものになる」と見ている。

 調査会社EVアダプションによると、米国では現在、テスラがEV充電の最大手だが、近くコンビニエンス店や給油所も市場に参入し、急速充電ネットワークの数は2022年の25から30年には2倍以上の54になる見込み。適切な場所に置かれた充電ステーションは、4年で利用率が15%程度に達し、採算が取れるようになる。

 インフラ投資会社インフラキャピタルのマネジング責任者は「適切な立地なら長期投資は絶対に意味がある」という。またチャージポイントのヒューズ氏は、今後大企業は、20〜30台の急速充電器を備え、小売店や関連施設に囲まれた大規模施設専用の新しい不動産を探し始めると予想している。