Tuesday, October 25, 2016 10:27 AM

米との防衛協定「忘れろ」 比、軍事協力を有名無実化

 フィリピンのドゥテルテ大統領は25日、アキノ前政権時に締結され、米軍のフィリピン常駐に道を開いた米比防衛協力強化協定について「忘れろ。フィリピン人以外の軍人を(自国内で)見たくない」と述べた。来日の前に、マニラ空港で開いた記者会見で述べた。

 ドゥテルテ氏はこれまで、米国との同盟関係を維持するとしつつも、合同軍事演習の中止を表明し米軍特殊部隊の撤退も要求。米国との軍事協力関係の有名無実化が一層進む恐れが出てきた。

 ドゥテルテ氏は記者会見で、日本については「貴重な戦略的パートナーで、真の友人だ」と持ち上げた。26日に予定される安倍晋三首相との会談では「海洋安全保障や領有権問題で防衛協力拡大について話し合うことになる」と説明。しかし先週の中国訪問では南シナ海問題を棚上げしており、日米と協調して中国に対抗したアキノ前政権とは違った対応を安倍政権は迫られることになる。(共同)