Friday, January 05, 2024 11:50 AM

屋内の低照度でも機能する太陽光電池を開発

 新興企業のアンビエント・フォトニクス(Ambient Photonics)は1月4日、屋内の低照度下でもよく機能する太陽光電池技術を開発し、すでに出荷していると発表した。

 ベンチャービート誌によると、同社は、ラスベガスで来週に開催される消費者電子製品見本市「国際CES 2024」に同技術を出展し、低照度太陽光電池を使った複数の電子機器を披露する計画だ。

 同社が開発した屋内向け太陽電池は、どんな明るさの光でも電源に変えることができ、テレビや家電のリモコン、モノのインターネット(Internet of Things=IoT)検知器類を含むさまざまの機器に変化をもたらすと期待される。

 同社は、アマゾンのクライメット・プレッジ・ファンド(Climate Pledge Fund)や著名なベンチャー・キャピタル会社から投資を受けている。

 アンビエントが開発した色素増感太陽電池(distinctive dye-sensitized solar cell=DSSC)は、ほかの屋内向け太陽電池製品とくらべて、低照度下で最大3倍を給電できる。

 「接続された昨今の電子機器は継続的な電源を必要としており、たいていは使い捨てや充電式の電池を使っている」「電卓や玩具のような低電力の機器では太陽電池が長く使われてきたが、当社の革新によって高性能の大衆市場向け太陽電池技術が開発された」と同社のベイツ・マーシャルCEOは話している。

 同社がことしの国際CESで披露するのは、太陽光電池の前面と背面の両方から採光する両面式技術だ。それをリモコンや検知器といった機器類に使えば、機器がどちらを向いているかにかかわらず、電池効率を最大限に高められる。

 「当社の両面式太陽電池技術は、あらゆる種類の機器にとって画期的だ。商品陳列棚に取り付ける電子値札や建物内検知器をはじめさまざまの設計や用途、場所に使える」と同氏は説明している。

 アンビエントの太陽光電池は、ユニヴァーサル・エレクトロニクス(Universal Electronics)やチコニー(Chicony)、イー・インク(E Ink)といった電子機器メーカーに採用されている。

 アンビエントは、カリフォルニア州スコッツバレーにある工場で同電池を生産し、2023年秋に大規模での出荷を開始した。同工場は、低照度太陽光電池の製造工場としては世界最大だと同社は説明している。

https://venturebeat.com/games/ambient-photonics-shows-off-battery-free-devices-with-indoor-solar-cells/