Wednesday, January 10, 2024 11:29 AM

シーメンス、インダストリアル・コーパイロットを発表

 シーメンス(Siemens)とマイクロソフト(Microsoft)は1月9日、ラスベガスで開幕した国際CES 2024(消費者電子製品見本市)において、産業向け生成人工知能をめぐる提携を発表した。

 ベンチャービート誌によると、シーメンスのローランド・ブッシュCEOは、マイクロソフトとの協業のもと、生成人工知能を活用した仮想執事(人工知能アシスタント)「シーメンス・インダストリアル・コーパイロット(Siemens Industrial Copilot)」を顧客会社らに提供する、と基調講演のなかで説明した。

 おもに製造業での用途を想定して開発されたシーメンス・インダストリアル・コーパイロットは、マイクロソフトのクラウド生成人工知能プラットフォーム「アジュール・オープンAI・サービス(Azure OpenAI Service)」とシーメンスのデジタル・プラットフォーム「エクセラレーター(Xcelerator)」を活用することで業務過程の合理化を支援する。

 ブッシュ氏はまた、ソニーと協力し、拡大現実(extended reality=XR)ヘッドセットを使って工業デザインを視覚化するための技術開発にも取り組んでいることを公表した。

 シーメンス・インダストリアル・コーパイロットは、自動化のための複雑なコード開発を支援し、最適化やソフトウェア・コード欠陥修正の過程を大幅に簡便化し加速させる。同社によると、数週間かかっていた作業が数分に短縮される。

 シーメンス・インダストリアル・コーパイロットはまた、工学者らが自然言語で指示しながら保守管理の説明書や模擬化ツールにすばやくアクセスするといった目的にも応用でき、生産性と効率を向上させる。

 両社の提携では、製造業だけでなく社会基盤や輸送交通、医療といったいくもの業界でも役立つコーパイロットを開発していく計画だ。

 シーメンスは、人工知能戦略においてアマゾン・ウェブ・サービシズ(Amazon Web Services=AWS)とも協力している。シーメンスはそのほか、最初にピクサーが開発し、エヌビディアらが推進している三次元データ形式「USD(Universal Scene Description)」の標準化団体であるオープンUSD(OpenUSD)にも参加している。

https://venturebeat.com/ai/siemens-teams-up-with-microsoft-on-cross-industry-ai-adoption/