Thursday, February 15, 2024 9:10 AM

シェル、加州の乗用車用水素ステーションを永久閉鎖

 英石油大手シェルは、カリフォルニア州内に7カ所あった乗用車用水素補給ステーションを全て閉鎖した。永久的な措置で、供給の複雑化やその他の外部的な要因が理由だという。

 ハイドロジェン・インサイトによると、これでシェルが加州で運営する水素補給ステーションは大型車向けの3カ所だけになった。

 シェルは2023年9月、「加州におけるライトデューティー車用水素補給ステーションの追加建設・運営計画を中止した」と発表し、それまでに発表していた48カ所の新規建設計画を取りやめた。同時に、運営中の水素補給ステーション5カ所も一時的に閉鎖し、再開時期は未定と発表していた。

 同年12月時点では、ライトデューティー車の脱炭素化のために電気自動車(EV)充電事業に投資しているが、大型車向けの水素供給を優先させると説明していた。今回の決定は、水素燃料の需要不足を反映している可能性もある。

 カリフォルニアは、水素燃料電池車(FCV)の販売が増えている数少ない市場の一つだが、23年の登録台数はわずか3143台で、これは同時期のEV登録台数の1%にも満たない。

 シェルは22年、英国内の水素補給ステーション3カ所も全て閉鎖しており、同社と提携する水素補給所運営のモーティブ・フュエルズ(Motive Fuels)は、これらのステーションは両社が重点を置く大型トラックへの供給に対応できないと説明していた。

 また、シェルが使っていた水素補給設備のメーカーであるノルウェイのネル(Nel)は現在、岩谷産業から「H2ステーション」製品に重大な欠陥があるとして訴訟を起こされている。