Tuesday, April 02, 2024 9:10 AM

アマゾン、新興AI企業に27.5億ドル追加出資

 インターネット通販最大手アマゾンは、人工知能(AI)事業の強化でマイクロソフトやグーグルなどに対抗するため、新興のAI企業アンスロピック(Anthropic、カリフォルニア州)に27億5000万ドルの追加投資を行った。

 ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、アマゾンは2023年9月、アンスロピックに12億5000万ドルの初期投資を行っており、当時「最大40億ドルを投資する可能性がある」と述べていた。今回の出資は、アマゾンが約30年前にオンライン小売業者として創業して以来最大の他社への投資となる。

 アルファベット傘下グーグルも23年10月、アンスロピックに対する最大20億ドルの投資に合意している。

 最近は、オープンAIの「チャットGPT」の成功を受け、テクノロジー企業やベンチャーキャピタルが積極的に新興のAI関連企業に資金を投じている。調査会社ピッチブックによると、23年は290億ドル以上が生成AI企業に投資された。マイクロソフトはオープンAIへの130億ドルの投資に合意している。

 新興AI企業は自社製品を動かすのにクラウド電算サービスが必要で、テック企業はそうしたサービスの利用料をAI企業に請求できるため、こうした投資はテック企業にとっても収益性が高い。

 WSJは昨年末、アンスロピックが今後5年間でアマゾンのクラウド・プラットフォームに40億ドルを費やすことを約束したと報じた。また、アンスロピックはグーグルが20億ドルを投資する数カ月前、グーグル・クラウドに30億ドル以上を費やすことで合意しており、オープンAIはマイクロソフトのクラウドに数十億ドルを投じている。

 21年設立のアンスロピックは、「チャットGPT」と競合する対話型AI「Claude(クロード)」を提供している。同社を率いるのはダリオ・アモデイ氏とダニエラ・アモデイ氏の兄妹で、二人ともかつてオープンAIで働いていた。