Monday, July 15, 2024 7:07 AM

エンテックに12億ドルの連邦融資〜EV電池の部品工場向け

 エネルギー省は、電池部品製造の非上場企業エンテック・リチウム・セパレーターズ(Entek Lithium Separators、本社オレゴン州)に12億ドルの条件付き融資を提供する。電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の国内サプライチェーン拡大が狙い。

 ブルームバーグによると、この融資は主にEV用リチウムイオン電池のセパレーター(絶縁膜)を製造するインディアナ州の新しい製造施設の建設費支援に充てられる予定で、国内のクリーン・エネルギー・サプライチェーン(供給網)を拡大するというバイデン政権の目標に沿った措置。

 エンテックは、電池の負極と正極の間に挟まれるセパレーター製造を専門とする。インディアナポリスに近いテレホートの新施設が完成すれば、面積にして年間17億2000万平方メートルのセパレーター製造が可能になり、これは中型EV約190万台分の電池製造に十分な量といわれる。

 エネルギー省融資プログラム室は「この融資により、30年までにEVとプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の販売構成比50%という大統領の目標を達成するために必要な運用および計画能力を確保する明確な道筋ができた」と話している。

 エンテックの新工場で製造されるセパレーターは、米国の電池メーカーが22年成立のインフレ抑制法(IRA)に基づいてEV税額控除の資格を得るのに役立つ。エネルギー省は「北米のEV用リチウムイオン電池業界は、30年までに年間70億〜100億平方メートルのセパレータ生産が必要になる」と見積もっている。