Tuesday, August 06, 2024 7:19 AM

EV電池材のアディオニクス、GMなどから3900万ドル調達

 イスラエルの新興電池技術企業アディオニクス(Addionics)は、Bシリーズ資金調達ラウンドで3900万ドルの資金を調達した。

 ロイターによると、この投資ラウンドは、GMベンチャーズとイスラエルのハイテク・ベンチャー・ファンドであるディープ・インサイトが共同で主導した。スウェーデンのトラックメーカー、スカニアなども参加した。GMとスカニアはアディオニクスの顧客候補でもある。

 アディオニクスは、電気自動車(EV)用電池向けに銅とアルミニウムの電極を開発しており、今回調達した資金はこの商業化に充てる予定。同社の電極は隙間が多く立体的で、材料の使用量が少なく、銅の使用量は通常より60%も少ない。光にかざすと透ける絹のスカーフのように見え、より急速な充電を可能にし、EVの航続距離を30%延ばすという。自動車メーカーにとっては容量1キロワット時(kWh)当たり最大7.5ドルの節約になる見込み。

 同社は、2027年の稼働を目指して米国に4億ドルの銅電極工場を建設し、最終的には年間約100万台のEVに使える量を供給する計画。モシエル・ビトン(Moshiel Biton)CEOによると、24年後半には自動車メーカーに電池を納入してテストを開始し、27〜28年には製品の大量納入ができる見通しだという。

 アディオニクスは欧米、日本の主要な自動車メーカーと協議しており「レガシーメーカーはEVの製造で損失を出しており、何であれコスト削減と性能改善につながる技術を強く求めている」と話した。