Wednesday, November 06, 2024 6:31 AM
アーカンソー州に「大量のリチウム」〜米輸入量上回る可能性
米国地質調査所(USGS)は、アーカンソー州で大規模なリチウム鉱床が発見されたと発表した。
リチウムは電気自動車(EV)用電池の正極に使われる重要な原料で、世界生産量の大半はオーストラリア、チリが占めている。
アセンブリー・マガジンによると、水質検査と機械学習を組み合わせたUSGS主導の調査で、アーカンソー州南西部のスマックオーバーと呼ばれる地層の地下に推定500万〜1900万トンのリチウムが埋蔵されていることが分かった。商業的に回収可能なら、この埋蔵量は2030年の世界における車載電池用リチウム需要の9倍に相当する。
USGSの地質学者キャサリン・クニアリム氏は「研究の結果、スマックオーバー地層の南西部分に存在するリチウムの総量を初めて推定できた。ここでは米国のリチウム輸入量、あるいはそれ以上のリチウムが地下のブライン(塩分の高い水)に溶存すると考えられる」と話した。
ただ、推定値はあくまでもその場での評価であり、新しいリチウム抽出方法に基づいて回収可能な量を推定したわけではないという。
スマックオーバー地層は、アラバマ、アーカンソー、フロリダ、ルイジアナ、ミシシッピ、テキサス各州の一部の地下に広がっており、古代は海だった場所で、多孔質で浸透性の石灰岩の地質を残している。石油と臭素の豊富な埋蔵地として知られているが、近年は深い部分のブラインにリチウムが含まれている可能性が注目されていた。