Monday, April 07, 2025 7:00 AM

リカード、レアアース不要の電気モーター発表

 英エンジニアリング大手のリカード(Ricardo)は、レアアース(希土類)を一切必要としない新しい同期リラクタンス・モーター「アルモーター(Alumotor)」のプロトタイプを開発、テストした。

 エレクトライブによると、アルモーターは、公的助成機関イノベートUK(技術戦略委員会)が資金を提供したリカード主導のコンソーシアム(企業連合)によって開発された。レアアースやコバルトなどの重要な原材料は一切使わず、代わりにアルミニウム製のヘアピン巻線を使用している。油冷方式を採用し、最大出力は214キロワット(kW)、最大効率は92%以上に達し、リカードによると「小型商用車やオフハイウェイの用途に適しており、他の用途への拡張性も十分にある」という。

 同社は、ロンドンで開催された「Materials and Manufacturing Showcase 2025」でこのモーターを発表し、重要な原材料を使わないサプライチェーン(供給網)の重要性を強調。プロジェクト責任者のドラギカ・コスティッチ・ペロビッチ氏は「私たちはアルミ・ヘアピンワインディングの試験の最前線に立ち、将来の市場投入をサポートする強力な性能データを取得している。この開発は真のイノベーションを示しており、将来の持続可能な技術の設計・開発における当社の専門性を裏付ける」と語った。

 リカードは他の持続可能な技術の開発にも力を入れており、2023年には海運業界における再生可能燃料としての水素の導入促進を目的に、海運業界コンソーシアム「HYdrogen-powered Shipping (sHYpS)」立ち上げに参画した。