Tuesday, May 27, 2025 7:05 AM

フォード、ケンタッキーの電池工場を日産と共用へ

 EV事業の縮小を進めるフォードが、日産にケンタッキー州にある電池工場の一部使用を認める計画であることが分かった。ウォールストリート・ジャーナルが事情に詳しい関係者の話として伝えた。

 フォードは21年、EV関連の70億ドル規模の投資の一つとしてケンタッキー州に二つの電池工場を新設すると発表した。いずれも韓国SKオンとの合弁事業だが、現在、一つは使われておらず、もう一つの工場の一部だけがフォードのEV電池を生産している。

 関係者によると、稼働中の工場は今後、日産向け電池も生産する。

 EV需要の低迷とコスト上昇という二重の圧力により、自動車各社は難しい選択を迫られている。フォードは5月初め、関税をめぐる不確実性を理由に25年通期の業績見通しを取り下げた。同社はEV事業で24年に50億ドルの損失を計上しており、25年もさらに50億ドルの損失を見込んでいた。

 日産にとって、米国でEV電池を調達できれば輸入車と部品に対する追加関税の影響を早期に軽減する手段となる。同社は25年3月期の純損益が6708億円の赤字(前期は4266億円の黒字)に転落している。