Thursday, July 24, 2025 7:05 AM
ヤサ、電動モーターで「新記録」〜重量13kgで出力550kW
メルセデス・ベンツ傘下の英電動モーター開発企業ヤサ(Yasa)は、出力密度が過去最高という電動モーターを開発した。
エレクトライブによると、プロトタイプは重量わずか13.1キログラム(kg)で550キロワット(kW)の出力が可能で、出力密度は42kW/kgに達するという。ただ、いずれもヤサのティム・ウールマー最高技術責任者(CTO)がビジネス系交流サイト、リンクトインへの投稿で「新しい世界記録」として公表した数値で、メルセデスやヤサの公式発表ではなく、外部機関の認証も受けていない。
ウールマー氏は投稿で「先週、このクラスで(多分すべての電動モーター中でも)最高の出力密度を非公式に(やや偶然に)達成した」と記した。電圧670ボルト(V)、電流850アンペア(A)で5秒間の連続出力という具体的なデータも挙げ、13.1kgという数値には磁石や収納容器、ローター構造、シャフトなどの機械部品すべてが含まれ、量産モデルを想定した構成となっている。
ヤサはオックスフォードを拠点とし、小型のアクシャルフラックスモーター開発を専門とする企業で、2021年にメルセデスが買収した。メルセデスは23年、ヤサ製モーターを搭載したコンセプトカー「ビジョン・ワンイレブン」を公開。さらに25年6月には「AMG GT XX」コンセプトを発表し、ヤサ製アクシャルフラックスモーター3基による1000kWの総出力を打ち出している。
今回試験されたモーターが「AMG GT XX」に使われたユニットと同じかは不明。ウールマー氏によると、今回の試作機はコバルト鉄積層材などの特殊な素材や3D(立体)印刷部品を使ったものではなく、スポーツカー向け量産(年間1万〜5万基)が可能なコストの市販対応モデルだという。