Monday, July 28, 2025 7:09 AM
QSとパワーコ、提携拡大〜全固体電池の実用化に向け
EV用の次世代リチウム金属固体電池技術を開発するクアンタムスケープ(QuantumScape=QS、カリフォルニア州)は、フォルクスワーゲン(VW)傘下の電池会社パワーコと2024年7月に締結した戦略提携およびライセンス契約の拡大を発表した。これにより、カリフォルニア州サンノゼにおける全固体電池「QSE-5」の開発用パイロットラインの加速を図り、この技術の産業化を大きく前進させる。
QSのプレスリリースによると、今回の契約では、共同スケールアップチームが一定の通過目標(マイルストーン)を達成した場合、パワーコは今後2年間で最大1億3100万ドルの追加支払いを行う。最初のマイルストーンはすでに達成されており、QSは年内に支払いの受け取りが始まる見通し。これらの資金流入は、十分な技術的進展の達成やその後のライセンス契約の締結に基づいてQSに支払われる発表済みの1億3000万ドルとは別になる。
今回の合意によって、パワーコは「QSE-5」の生産と自動化の取り組みに早くから関与できるようになり、QSのパイロットラインの立ち上げも加速される。これは、「QSE-5」の製造規模拡大と、世界市場に投入するために必要な技術移転を実行する上で不可欠なステップであり、同時にパワーコに対する試作セルの大量納入も可能となる。提携拡大により、パワーコはライセンス契約に基づき、VWグループ以外の顧客向けも含め、「QSE-5」ベースの電池を容量換算で年間最大5ギガワット時(GWh)まで生産する権利と、QSの将来の技術の一部に関するライセンス権を得ることになる。