Tuesday, September 16, 2025 7:16 AM

トヨタ、特定条件下での自動運転車を27年度に導入

 トヨタは15日、特定の条件下で運転手が不要な「レベル4」の自動運転システムを搭載した車両を2027年度に市場導入することを目指すと発表した。ブルームバーグが報じた。

 トヨタは運転操作の一部を自動で行う「レベル2」相当のシステムに対応可能な車両としてEV「e-Palette(イーパレット)」を2900万円(消費税込み)から販売開始すると発表。レベル4に準拠したシステムを搭載した車両の市場導入に向け、継続して機能実装していく。

 当初は10月に開業する東京・お台場のトヨタグループ建設の次世代アリーナ周辺で輸送サービスでの活用や物品などを販売する移動型店舗などの取り組みを進めていく。

 自動運転技術を使ったロボタクシーなどの展開では、ウェイモや百度(バイドゥ)などが先行する。グランド・ビュー・リサーチによると、自動運転車市場は30年までに現状の3倍となる30兆円強まで成長する。出遅れ気味の日本勢は潜在的な巨大な市場を失う恐れもある。

 ホンダはGMと26年初頭から無人運転タクシーサービスを始める計画だったが、中止する方向で検討している。一方、日産は、自動運転によるモビリティサービスを27年度に事業化する方針だ。

 自動運転技術を載せた車両の事故は注目を集めやすく、開発企業は厳しい批判に晒されるリスクもある。GMはクルーズを通じてロボタクシーの開発を進めていたが、23年に人身事故を起こし、撤退を発表した。テスラも「レベル2」に分類される同社の運転支援システムを巡り訴訟を起こされた。トヨタもイーパレットが21年、東京パラリンピックの選手村で接触事故を起こし、当時の豊田章男社長が謝罪する事態となった。