Friday, September 05, 2025 7:00 AM
テスラ「マスタープラン4」発表〜具体性なく批判集中
EV大手テスラは2日、長期事業計画の第4弾「マスタープラン・パート4」をX(旧ツイッター)で公表したが、具体性に欠ける内容で多くの批判が集まっている。
エレクトライブによると、同社のマスタープランはこれまで、イーロン・マスクCEOの戦略的方向性を示す重要な指針となってきた。特に2006年発表のパート1では高価格スポーツカーから大衆車へと展開する10年掛かりの方針が示され、「ロードスター」(08年)「モデルS」(12年)「モデル3」(17年)の提供へとつながった。
また、16年発表のパート2では「自動運転の開発」が盛り込まれた。同社はこの分野に多額を投じたが、多くの公約は未達成に終わっている。
23年発表のパート3はまだ評価が難しいが、すでにいくつかの内容が修正され、当初予定されていたさらに低価格のコンパクトカー展開は取りやめになり、ロボタクシー(自動運転タクシー)と廉価版「モデルY」へ軸足を移した。
今回のパート4は「持続可能なエネルギーへの世界的移行を加速する」ことを再確認し、「達成不可能と見なされる領域に挑むことで、持続可能で豊かな未来を築く」とうたっている。しかし、人工知能(AI)の活用や人類の繁栄への貢献といった抽象的な理念にとどまり、パート3までのような具体的な工程、数値、目標は示されていない。
マスク氏自身が以前から「パート4はパート3より具体的になる」と予告していただけに市場の期待は大きかったが、実際にはAIや人型ロボットに関する理想論や抽象的な表現に終始。かつてテスラ寄りとされた米国メディアのエレクトレックでさえ「AIのバズワードを並べただけ」「ユートピア的で中身がない」と痛烈に批判している。