Wednesday, July 01, 2026 7:15 AM

ウェイモ、ロボタクシーと人間の運転をより正確に比較

 ウェイモは、自社の自動運転ソフトウェアが人間の運転と比べてどれほど優れているかをより正確に評価するためのコンピューターモデルを開発した。テッククランチが伝えた。

 オランダのデルフト工科大学との共同開発で、学術誌「Nature Communications」に研究論文を発表した。新モデルは「Reference Driver」と呼ばれ、人間の運転行動を従来より現実的に再現できる点が特徴。基盤となるのは「アクティブ・インフェレンス(active inference=能動的推論)」という理論で、人間は運転中に常に将来起こり得る状況を予測し、最も安全で予測可能な結果につながる行動を選択しているという考え方だ。これにより、ロボタクシーが遭遇する事故の場面で、慎重で有能な人間のドライバーならどう対応するかをより現実的な基準として比較できるようになる。

 今年1月、ウェイモのロボタクシーがカリフォルニア州サンタモニカの学校近くで子どもと接触事故を起こした際、その車両は時速17マイルから時速6マイルまで減速して接触したが、同社は「注意深い人間の運転手でも時速約14マイル程度で衝突した可能性が高い」と、従来のコンピューターモデルを使って説明した(事故は今も運輸省道路交通安全局と国家運輸安全委員会が調査中)。

 新モデルの最大の違いは、衝突直前までの人間の状況認識や行動の流れなど意思決定の過程全体を再現できる点にある。これまで業界で使われてきたモデルは、主として事故直前の「最後の一瞬の反射的な回避行動」の再現に重点が置かれていた。これに対しウェイモのReference Driverは、危険な状況でドライバーが感じる驚きまでシミュレーションして、自動運転システムを人間のような基準で評価でき、しかもそれを自動化できる。

 また新モデルは、衝突回避だけでなく、多様な道路利用者の行動全般を再現できるよう拡張が可能で、数千件規模のシナリオを含む大規模試験にも応用しやすい。ウェイモは論文で「仮想環境内で多数の複雑な実際の事故を再現・評価し、これまでにない速度と効率で性能改善点を特定できる」と説明している。

 ウェイモはこのモデルを発展させるために外部と協力する意向で、研究・教育・個人的な実験・学術出版に利用できるよう、研究コードを公開する。