Thursday, September 10, 2026 7:00 AM

VW、米国向けにピックアップ投入を検討

 VWは、北米市場向けにピックアップトラックや本格SUV投入を明らかにした。需要が強い車種に重点を置く北米専用の商品戦略の一環だ。

 VWは9月3日の声明で、将来の商品ポートフォリオの候補として「ボディ・オン・フレームのBセグメント」におけるSUVやピックアップトラックの可能性を検討すると表明した。ただ、一般にBセグメントは小型車を指し、北米で一般的なボディー・オン・フレームのSUVやピックアップとは車格の分類が一致しない。VWは具体的な車体サイズや投入車種について明らかにしていない。

 VWは米国ブランド「Scout(スカウト)」を復活させ、サウスカロライナ州でピックアップトラックとSUVの生産準備を進めている。同州の工場には20億ドル超を投じ、フル稼働時には年間最大20万台の生産能力を見込む。Scoutは既存のVW販売店網を利用せず、消費者への直接販売を基本とする計画で、VWブランドの販売店とは別の販売モデルを採用する。

 VWは、HV展開を加速する方針も示した。現在は米国でHVを販売していないが、今後は需要が高いHV参入を強化する。これまで「Tiguan」や「Atlas」などへのHV導入が検討されてきたが、今回の発表では具体的な投入時期や車種は明らかにしていない。

 VWは4月末にテネシー州チャタヌーガ工場でEV「ID.4」の生産を終了した。米国でEV需要が伸び悩む中、生産能力をより販売台数の見込めるモデルに振り向ける。

 北米事業の立て直しに向けた人事も進める。Audiで販売・マーケティング担当取締役を務めるマルコ・シューベルト氏が10月1日付でVWグループの北米地域担当に就任し、北米全体の商品・事業戦略を統括する。

 重要なのは、VWが「欧州車を米国に持ち込む」従来戦略から、「北米で売れる車を北米向けに作る」戦略へ明確に転換したことだ。VWは「In China, for China」「In Europe, for Europe」をすでに明らかにしているが、北米についても「In US、for US」を打ち出した。