Friday, November 04, 2016 1:07 PM

自食作用、簡単に測定 薬の発見に利用も

 ことしのノーベル医学生理学賞の授賞対象となった「オートファジー(自食作用)」が、細胞内でどの程度起きているかを簡単に測定する方法を開発したと、東京大の水島昇教授らの研究チームが4日付の国際専門誌の電子版に発表した。

 オートファジーは、細胞が自分自身の不要な物質を分解して再利用する機能。近年、さまざまな病気に関わっていることが分かり、注目されている。今回の成果により、自食作用を進めたり、妨げたりする薬を見つけやすくなるという。

 この方法は、チームが開発した赤と緑に光る2種類の物質が融合したタンパク質を利用する。オートファジーが起きると緑色タンパク質は細胞内で分解されるが、赤色は分解されない仕組みになっており、色の変化によってどれほどオートファジーが起こったか判別できる。

 チームは、このタンパク質を利用してマウスの細胞やゼブラフィッシュの目を観察。同じ目の中でも、網膜と水晶体ではオートファジーの活発さが異なっていることなどが分かった。(共同)