Thursday, June 30, 2016 10:28 AM

東芝、白物の自社生産に幕 総合電機の看板下ろす

 経営再建中の東芝は30日、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電事業を、中国の家電大手「美的集団」へ譲渡した。戦前から国産1号の家電製品を多数生み出した東芝だが、自社による生産や開発から撤退した。家庭向け商品から発電設備のような大規模機器まで扱う「総合電機」の看板を事実上、下ろすことになった。

 白物家電を手掛ける「東芝ライフスタイル」(東京)の株式の約8割を美的に514億円で売却し、30日手続きが完了した。今後販売する商品にも「東芝」のブランド名は残るが、美的が生産や開発を担う。ライフスタイル社の資産を見直した結果、売却額は当初想定していた537億円よりも、やや減額となった。

 東芝の白物家電の歴史は古く、1890年代には前身の芝浦製作所が日本で最初の電気扇風機を開発した。その後も1930年の電気冷蔵庫のほか、電気掃除機や自動式電気釜など日本初の家電製品を多く開発し、世に送り出した。(共同)