Thursday, June 30, 2016 10:28 AM

米、年内利上げ見送りか 英のEU離脱、景気を圧迫

 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が、年内は追加利上げを見送るとの観測が金融市場で台頭してきた。英国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利したことに伴う市場の動揺が景気に冷や水を浴びせかねないためだ。FRBも不透明感が増したとみて警戒を強めている。米利上げの時期は一段と読みにくくなってきた。

 FRBは6月14〜15日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、主要政策金利を年0.25〜0.50%に据え置いた。英国民投票が迫っていたことも利上げ見送りの理由になった。

 FRBは今のところ、年内に小幅な追加利上げを2回実施する方針を変えていない。しかし、EU離脱派の勝利を受けて、市場では米経済への悪影響に対する不安が拡大。FRBはFOMCを年内に7、9、11、12月の4回開くが、米大手取引所CMEグループが投資家の取引状況から算出した利上げの確率は6月29日時点で7、9月がゼロ%。11月が2.0%で、12月も15.9%にとどまっている。(共同)