Monday, November 14, 2016 10:43 AM

日銀総裁、賃上げに期待 米にTPP承認求める

 日銀の黒田東彦総裁は14日、名古屋市で記者会見し「企業収益は極めて高水準で、失業率はどんどん下がっている。賃金が上昇していく合理的な理由がある」と述べ、来年の春闘での賃上げに強い期待を示した。

 日銀が掲げる2%の物価上昇目標の実現には賃金の改善が必要で、会見に先立つ中部経済界との会合でも「物価上昇を前提とした賃金決定などに取り組むことは、日本経済に不可欠な条件だ」と述べ、企業経営者らに賃上げを促していた。

 米国のトランプ次期大統領が環太平洋連携協定(TPP)からの脱退を表明していることに関しては「TPPは日米が中心となって世界最大規模の自由貿易圏を作る画期的なものだ」と強調。実現しなければ「大きなメリットが失われる可能性がある」として、議会承認などの手続きを進めるよう要望した。(共同)