Monday, November 14, 2016 4:42 PM

ロシア、領土交渉に難色 経済協力対話を優先

 ロシアが日ロ当局間の平和条約締結交渉について、8月以来の再開を求める日本政府の要請に難色を示していることが14日、分かった。複数の日本政府関係者が明らかにした。首脳間で進展が見られる前に領土を話し合えば、経済協力をてこに返還を目指す日本に主導権を握られた印象を与えると懸念したためとみられる。経済協力対話には積極的で、15日に閣僚級の貿易経済政府間委員会が東京で開かれる。

 平和条約締結交渉を領土交渉と同義と位置付ける日本側は、12月のプーチン大統領来日へ協議を加速させたい考えだが、ロシアの協力が得られず対応に苦慮している。

 今月19、20日にペルーでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて開催予定の日露首脳会談の際、再開への道筋を付けられるかが課題になる。ロシアが期待する経済協力への取り組みが領土を巡る交渉より先行している実態が浮かび上がった。(共同)