Thursday, November 17, 2016 10:25 AM

日銀が利回り指定オペ実施 金利上昇けん制、応札ゼロ

 日銀は17日、通常の公開市場操作(オペ)とは異なり、固定の利回りを指定した上で国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」の実施を初めて通知した。次期米大統領にトランプ氏が決まって以降の金利上昇がさらに進むことをけん制する狙いがある。日銀の指定した金利が足元の市場金利より高く、買い入れ価格が安かったため、応札した金融機関はなかった。

 日銀が「トランプ相場」に対決姿勢を示したことで、金利上昇にはいったん歯止めがかかった。トランプ次期米大統領の経済政策の具体像が明らかになる過程で、今後も相場が急変動する可能性があり、日銀と市場の神経戦が続きそうだ。

 日銀は9月から短期金利をマイナス0.1%に、長期金利を0%程度に誘導する目標を設定している。日銀が買い入れを通知したのは2年債と5年債。担当者は「短中期の金利の急上昇を踏まえた」と説明した。(共同)