Friday, November 18, 2016 10:17 AM

トランプ政策でマネー急転 米金利上昇、円安株高進む

 次期大統領トランプ氏が掲げる積極財政政策でマネーの流れが急転している。米景気の回復期待から世界の資金がドルにシフト。米株高と金利上昇が進み、円相場は一時1ドル=110円台まで下落した。円高に身構えていた輸出企業は一息ついた形だが、新興国の成長を支えたドル資金が逃避する懸念があり、世界経済の先行きには不透明感も漂う。

 トランプ氏当選後、米国では長期金利がほぼ一本調子で上昇(債券価格は下落)。公約に掲げた巨額の減税や公共事業の拡大で一時的には景気が刺激されるとの見方が強まり、債券から値上がりが期待できる株式に資金シフトが起きたためだ。

 米国の金利上昇を受け、外国為替市場ではドルに対してユーロや人民元など各国の通貨が下落。メキシコの中央銀行は通貨価値の防衛を図るためか、政策金利を引き上げた。円安も進み、日銀は必要なら無制限に国債を買い支え、金利上昇を力ずくで抑える政策をとっている。このため日米の金利差が広がりやすく、ドルで運用した方が有利になり、円を売ってドルを買う動きが強まった。(共同)