Friday, November 18, 2016 4:55 PM

血管の壁越え脳に薬剤 神経疾患に応用期待

 血液中の物質が脳に行かないよう遮る血管の壁を越え、中枢神経に薬剤を届ける技術を、兵庫県芦屋市の医薬品メーカー「JCRファーマ」が開発した。アルツハイマー病などさまざまな脳の神経疾患の治療薬に応用できる可能性があるという。

 新技術は「J-Brain Cargo(Jブレインカーゴ)」と名付けた。同社は、この技術を使い、特定の酵素が欠けているため細胞内の廃棄物を処理できず神経症状などを起こす難病「ムコ多糖症2型」の治療薬を作った。2017年3月にも臨床試験を始める予定だ。

 開発した薗田啓之経営企画本部部長は「動物実験では薬が脳全体に行き渡っているのを確認できた。患者数の多い中枢神経疾患でも脳に届く治療薬を作るため、大手製薬会社と共同研究を進めている」と話す。(共同)