Monday, November 21, 2016 4:52 PM

日露の共同経済活動構想 「長門会談」目前、再浮上 交渉起点は98年合意

 北方領土を舞台とした日本とロシアの「共同経済活動」構想が、領土問題の解決案として再浮上した。ロシアのプーチン大統領が訪問先のペルーで言及したためだ。日本政府は帰属問題の解決を条件に、協議に応じるとみられる。構想の実現可能性を巡り、日露双方は1998年の首脳間合意をきっかけとして断続的に協議してきたが、成果を出せなかった。今回は突破口を見いだせるのか。12月15日の山口県長門市での首脳会談を目前に控え、交渉は正念場を迎えつつある。

 20日、ペルーの首都リマ。日露首脳会談を終えたプーチン氏は記者会見で、北方領土に関する安倍晋三首相との交渉内容を「島々で共に何ができるか話し合った。これが経済や人道面の解決策となる」と明かし、共同経済活動の実現への意欲を示した。「この話をするのは早い。合意がない」とも述べた。12月の訪日に向け、交渉の主導権を握るために「リーク」したとの観測が交渉関係者の間で流れた。

 首脳間のやりとりを伏せてきた日本側は戸惑いの表情を浮かべた。菅義偉官房長官は21日の記者会見で「(プーチン氏発言の)解釈、意味内容について、コメントは差し控えたい」と述べるにとどめた。外務省幹部は「自分たちに都合よく世論操作している」と不快感をあらわにした。(共同)