Monday, November 28, 2016 10:38 AM

苦悩深めるメキシコ 「壁」や貿易再交渉を懸念

 米国と3000キロ以上の国境を接し、輸出額の8割が米国向けというメキシコが、大統領選でのトランプ氏(70)の勝利に苦悩を深めている。メキシコとの国境に「壁を建設する」方針を当選後も強調しているほか、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉なども打ち出しており、メキシコの政治・経済への大きな影響が懸念されるからだ。

 「メキシコと米国との関係の新たな章が開かれる」。大統領選から一夜明けた9日、メキシコのペニャニエト大統領は「変化や挑戦」が待ち受けているとして国民の協調を呼び掛けた。

 トランプ氏の勝利が確実になった直後、メキシコの通貨ペソは対ドルで急落し、1ドル=21ペソ(約115円)近辺と過去最安値を付けた。メキシコの中央銀行は17日、政策金利を0.50%引き上げると発表した。通貨価値防衛策とみられる。(共同)