Tuesday, January 24, 2017 10:12 AM

IBMが数千人を解雇〜雇用計画発表の陰で

 IBMが、公式にはトランプ大統領が喜ぶ大量の雇用計画を発表しながら、陰で1000人単位の解雇を行なっていることが分かった。

 ブルームバーグ通信によると、2016年12月にテクノロジー企業幹部が大統領就任前のトランプ氏と会合を開いた前夜、IBMのジニ・ロメッティCEOは、今後4年間に国内で約2万5000人を雇用し、研修に10億ドルを投資する計画を発表した。しかし、同時にIBMが従業員を解雇し、雇用を海外に移していることには触れなかった。

 現役および元従業員によると、IBMは16年11月後半、同年で少なくとも3回目の解雇を完了した。人員削減の数は不明だが恐らく数千人に上り、その大部分がアジアや東欧に移ったという。トランプ氏は大統領選挙の期間中、IBMを名指ししなかったものの常にオフショアリング(雇用の海外移転)を批判していた。

 社内で「資源調達活動(resource actions)」と呼ばれるIBMの人員削減は、17年も続いている。現従業員1人によると、IBMは1月に入って国内従業員への解雇通知を開始した。サービス部門の同僚らはさらに行われる人員削減を警戒しているという。

 IBMのダグ・シェルトン広報は電子メールで、同社のサービス収入の3分の2以上は海外で生まれていると指摘しながら、国内で2万5000人を雇用する計画を繰り返し、今後4年間の雇用は差し引きで増加すると述べた。同氏は16年の解雇数を明らかにしなかったが、IBMの離職率は以前から業界平均を大きく下回っていると説明した。