Friday, July 08, 2016 10:23 AM
フォーエバー21との契約破棄〜運送会社EZワールドワイド
運送会社のEZワールドワイド・エクスプレスが、ファストファッション小売店フォーエバー21との運送契約を打ち切ったことが分かった。商品の取扱量が減って利益が見込めなくなったため。ファストファッションの陰りをうかがわせる動きともいえる。
ウォールストリート・ジャーナルによると、EZワールドワイドは今年1月、破産法第11条に基づく会社更生手続きの適用を申請して経営破綻した。再建計画に従ってこれまでに約2000人を解雇し、現在は車両約140台などの機材を売却中。フォーエバー21とは2019年まで少なくとも171店舗の商品を独占的に運送する契約を交わしていたが、不採算を理由に解約を決めた。
5月20日に破産裁判所に提出された書類によると、かつてフォーエバー21向けのサービスはEZワールドワイドの年間売上高(2500万〜3000万ドル)の約半分を占めたが、ことしは週35万2483〜42万8764ドルと、前年同期の62万9817〜78万730ドルから大幅に落ち込んでいる。
EZワールドワイドは1989年にニュージャージーで設立され、90年代にアパレルメーカーから小売店への商品運送契約を取り付けて事業を拡大。ロサンゼルス、カリフォルニア州サンタフェ・スプリングス、ダラス、ニューアークに拠点を増やしたが、裁判所の管理下にある現在は全米の事業を縮小している。最終的には従業員を約225人まで減らして、ディズニー、ウォルマート、H&Mなどとの取引で利益確保を図る可能性が高い。
流行の服を速く安く提供するファストファッション小売店の多くは、消費者の購買習慣の変化を受けて苦戦している。これまでは商品が実店舗を中心に流通していたが、eコマースの急成長で実店舗を持つ小売り各社は消費者の自宅と店舗の両方に商品を配達しなければならなくなり、収益性が低下した。特に若者向けのアパレル店は打撃が大きく、ここ数年でウェット・シール、エアロポステール、デリアズなどの有名チェーンが相次いで破綻している。