Thursday, February 16, 2017 11:06 AM

トランプ就任で銃販売が激減〜規制強化の懸念なくなり

 大統領選でトランプ氏が勝利して以来、国内の銃器販売が激減している。

 CNNマネーによると、オバマ前政権時代は銃規制の強化を警戒する愛好家が購入を急ぎ、ヒラリー・クリントン氏が後継となれば状況はさらに厳しくなるとの見通しから選挙までは販売が大幅に増加していたが、銃規制には反対で全米ライフル協会(NRA)の支援も受けるトランプ氏の大統領就任でこうした懸念がなくなった。

 上場する銃器大手スターム・ルガーとアメリカン・アウトドア・ブランド(旧スミス&ウェッソン)の株価は、2016年11月8日の投票日以来20%以上低下している。連邦捜査局(FBI)が行う銃購入者の身元調査件数は、12月に前年同月比16%減少した後、17年1月は20%落ち込んだ。

 身元調査の件数と銃の販売数が正確に一致する訳ではないが、かなり近い全米指標になる。弾薬の販売も減少しており、近年は需要の高騰でメーカーの生産が追いつかず、16年は輸入が過去最高を記録したほどだったが、銃器大手ウィンチェスター・アミュニションを所有するオリン(Olin)は、16年10〜12月期の売上高が前期比で20%減少した。

 同業カラシニコフUSAのブライアン・スキナーCEOによると、16年は全米がクリントン候補の大統領選勝利を予想し、銃器業界もそのつもりで事業計画を立てていた。このためメーカーには大量の注文が舞い込んだが、投票日翌日にはトランプ氏の勝利が確実になり、販売業者からの発注取り消しが相次いだという。スキナー氏は「人々は銃器の購入を控え、業界は調整を迫られる。今後4年間は需要が伸びず、経営が行き詰まるところも出てくる」と見ている。

 アルコール・たばこ・火器および爆発物取締局(ATF)によると、銃器の生産数はオバマ政権で2倍以上に増加し、16年にFBIが行なった身元調査件数は2700万件超と過去最多だった。