Tuesday, February 21, 2017 10:41 AM
ボーイング労働者、SC工場の組織化を否決
航空・宇宙機器世界最大手ボーイングのサウスカロライナ州工場でこのほど、労働組合結成の是非を問う従業員投票が実施されたが、圧倒的多数の反対で否決された。
ロイター通信によると、工場では15日、全米労働関係委員会(NLRB)が設置した投票所で 無記名投票が行われた。ボーイングでこうした投票が行われたのは初めて。
ボーイングは国内2カ所の工場で「787ドリームライナー」の各種を作っているが、ワシントン州の工場はすでに国際機械工労組(IAM)によって組織化されており、IAMはサウスカロライナ工場で働く約3000人の組織化を目指している。
しかし会社側は「組合は経営陣との分裂を生む力で、守れない約束をし、労働者をコストのかさむストライキに導くため必要ない」と考えており、組織化反対のビデオを制作して地元テレビ局や工場の休憩室などで頻繁に放映するなど、激しく応戦した。
サウスカロライナは、雇用の条件として組合への参加義務付けを禁止する28州の1つで、労働統計局(BLS)によると組合労働者の比率は1.6%と全米で最も低い。最高はニューヨークの23.6%。
ボーイングは、2008年に機械工のストでワシントン工場の生産が止まり大きな痛手を受けた後、7億5000万ドルを投じてサウスカロライナ工場を建設。さらに10億ドルを投じて、航空機エンジンのケーシングとインテリアの生産を拡張した。州内の雇用は14年に最大の8400人まで増え、その後は10%減少している。