Wednesday, March 15, 2017 11:50 AM
病院のデータ・センター室、5年後には消滅か
企業による業務のクラウド移行が進むなか、病院でも患者の電子カルテ保存や治療に関する意思決定支援、各種分析といった機能を病院専用データ・センター(施設内や付近に設置されたサーバー室)からクラウドに移行する動きが起きている。
クラウド移行を進めるベス・イスラエル・ディーコネス医療センター(Beth Israel Deaconess Medical Center)で最高情報責任者(CIO)を務めるジョン・ハラムカ医師は、「5年後には専用データ・センター(サーバー室)を利用する病院はなくなる」と予想する。
ヘルスケアITニュース誌によると、米保健福祉省(HHS)の組織で公的医療保険制度を運営するメディケア&メディケイド・サービス・センター(CMS=Centers for Medicare & Medicaid Services)は、クラウド基盤分析プラットフォームを開発したことで、あまり使われていない基幹施設への投資を500万ドル削減することに成功した。
マーシー小児科病院(Children’s Mercy Hospital)は、退院後の小児患者を追跡するアプリケーションとデータをマイクロソフト(Microsoft)のクラウド・サービス「アジュール(Azure)」でホストし、「重症患者の救命」(同病院)に役立てている。それらのアプリケーションとサービスは、クラウド経由で他院へも提供されている。
リスク管理ベンダーであるヴァージ・ヘルス(Verge Health)のジェイムズ・ローソン最高ソリューション責任者は、業務やデータのクラウド移行は病院だけでなく医療関連業界全体に起きていると指摘する。
同氏は、クラウドへの包括的移行には5年以上かかる可能性があると断ったうえで、クラウド移行の勢いがいったん増せばその動きは加速し、対応の遅い病院は技術的に取り残されることになる、と警告する。
【http://www.healthcareitnews.com/news/hospital-datacenters-extinct-5-years】