Tuesday, March 21, 2017 10:38 AM
IBM、ブロックチェーン・サービスを立ち上げ
IBMは、ブロックチェーン(blockchain)技術を応用してクラウド上でアプリケーションを構築できるようにするサービスを導入した。ブロックチェーンを業務用に汎用化できるサービスとして注目される動きだ。
ブロックチェーンとは、分散型台帳または分散型台帳通信網と言われる暗号化データ管理技術。通信網上の情報を同期してオンライン経由での取り引き記録を安全に確保および保存できるようにする。仮想通貨ビットコインの土台になっている技術として知られる。
ロイター通信によると、IBMの新サービスには、30社以上が参加するオープン・ソース開発事業のハイパーレッジャー・プロジェクト(Hyperledger Project)が開発したブロックチェーン・コード「ハイパーレッジャー・ファブリック」が採用される。
「IBMブロックチェーン」と呼ばれる同サービスは、ハイパーレッジャー・ファブリックにもとづく技術を業務用アプリケーションの開発者向けに提供する。世界で初めてのサービスとなる。
ハイパーレッジャー・ファブリックでは、1秒につき1000件以上の取り引きを処理でき、大規模の企業や組織が必要とする機能を有している。
また、IBMは、セキュアキー・テクノロジーズ(SecureKey Technologies)およびカナダの金融機関グループとも協力して、新しいブロックチェーン・サービスを使ったデジタル・アイデンティティー管理網を構築しようとしている。
その管理網は2017年中に稼動する予定。新しい銀行口座や運転免許証といった身分証明書情報へのアクセスを簡便化することを目指している。開発には、モントリオール銀行やロイヤル・バンク・オブ・カナダ、ノバスコシア銀行、カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース、トロント・ドミニオン・バンクが協力している。
IBMは、ブロックチェーン技術をもっとも積極的に追求している技術会社の一つ。これまでにノーザン・トラスト(Northern Trust)やウォルマート・ストアーズ(Wal-Mart Stores)、証券保管振替機構のDTCC(Depository Trust & Clearing Corporation)とアプリケーション開発で提携している。
【http://www.reuters.com/article/us-ibm-blockchain-launch-idUSKBN16R07L】