Friday, June 02, 2017 10:58 AM

ドローンによるラスト・マイル配達は炭素を削減

 ワシントン大学(シアトル)の研究者らは5月31日、無人航空機(ドローン)を配達に活用することで、宅配トラックからの二酸化炭素排出量を削減できることを裏付ける研究結果を公表した。

 テッククランチ誌によると、「大型トラックは、重い荷物の配送に適しており、軽くて小さな荷物の配達にはドローンが圧倒的に適している」と調査を主導したアン・グッドチャイルド氏は説明した。

 ロサンゼルスにおけるあらゆる筋書きの配達に関する理論的なエネルギー・コストを検証したグッドチャイルド氏の調査によると、ドローンは1回の飛行で一つしか運べないが、地上交通の上空を目的地に向かって直線で飛べるため、荷物一つあたりの業務効率(エネルギー効率性も含めて)が高かった。

 それが、トラック1台に積まれる数百個単位の配達物となると、ドローンによって回避できるエネルギー・コストやガス排出量は非常に大きい。

 研究者たちの分析によると、配達ヵ所件数と配達物の数の関係に左右されるが、1マイルまでならドローンのほうが高効率だ。一つの高層ビルに行くだけで数十個の荷物の配達を処理できる場合には、トラックのほうが高効率となるが、それ以外では、トラックを目的地まで走らせるより、都合の良い場所からドローンを飛ばすほうが経済的にも環境的にも理にかなっているという結果が出た、とグッドチャイルド氏は話す。

 したがって、高層商業ビルや高層集合住宅が密集する市街地では、トラックによる配達のほうが高効率で、人口密度の低い郊外や過疎地域では、ドローンによる配達のほうが高効率となる、と同氏は結論づけている。

 ただ、ドローンの電池の充電方法が、化石燃料トラックを走らせるよりきれいであることが前提となる。

https://techcrunch.com/2017/05/31/study-suggests-last-mile-drone-delivery-could-lower-carbon-footprint/