Tuesday, June 06, 2017 11:00 AM
インテル、機械学習の活用積極化で増収に成功
インテル(Intel)の情報技術部門は、機械学習機能やそのほかの台頭技術を全社的に導入したことで、製品の市場投入にかかる時間を約39週間短縮し、販促部門で5億ドルの増収に成功した。最新のIT年次報告書で明らかにされた。
インテルのIT年次報告書は、2016年における同社IT部門の成果をまとめたもの。
ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた同報告書によると、2016年におけるインテルの売上高に対するIT投資額の比率は2.3%で、前年の2.5%より少なく2014年と同等だった。
2016年8月に最高情報責任者(CIO)に就任したポーラ・トリバー氏のもと、インテルのIT部門は先進の解析および機械学習技術の全社的導入を継続してきた。
その一環として導入された機械学習プラットフォームのカヴァレッジ・リフト・フレームワーク(CLIFF、クリフ=Coverage Lift Framework)は、製造開始前の製品設計と性能検証の迅速化に貢献した。クリフは、何千件という過去の製品試験記録をもとに、設計段階で見逃された可能性のある不具合のパターンを発見して特定する。
2016年に18の製品開発班がクリフを導入したところ、インテルは製品検証時間を8週間短縮した。見つかった不具合の数は従来の試験の場合に比べて30%多かった。
同社はまた、クリフ導入によって、製品の特徴と機能性の試験項目を従来の60倍に増やすことができた。さらに、一つの製品につき20以上の新たな不具合を見つけることもできた。
同社は、2015年と2016年に販売および販促データを連携して、組織全体の事業過程合理化にも着手。機械学習と予想分析ツールの導入によって顧客ごとにカスタマイズした販促を強化した結果、販促部門で5億ドル強の増収を記録した。
トリバー氏は、特に注力した分野として、IT部門や供給網、モノのインターネット(IoT)対応検知器を駆使するスマート工場を含む機械学習と人工知能(AI)、そのほかの台頭技術を同社全体で活用できるようにしたことを挙げた。
その結果、IT部門と事業部門間の理解や協業が進み、幹部たちのあいだでは製品開発の効率化や生産性向上といった戦略的観点から機械学習の活用が積極的に検討されるようになった、と同氏は語った。
【https://blogs.wsj.com/cio/2017/05/31/intel-it-turns-to-machine-learning-to-drive-business-growth/】