Friday, June 16, 2017 10:04 AM
データ・センターにリチウムイオン電池
データ・センター専門情報会社データ・センター・フロンティア(Data Center Frontier)によると、データ・センターの抱える特有の電力課題をリチウムイオン電池が解決する可能性に期待が寄せられる。
エネルギー・マネジャー・トゥデイ誌によると、従来型の鉛蓄電池をデータ・センターの電源として使うには、重いことや、保守管理コストが高いといった課題がある。
リチウムイオン電池にはいくつかの種類があり、それぞれに長所と短所がある。たとえば、正極材料にマンガンを使用したものは、ほかの種類に比べて強力で、コバルトを使用したものより安全性が高いが、容量で劣るといった特徴がある。
リチウムイオン電池は全般的に寿命が長く、比較的軽量で小型であることから、データ・センターの電源として役立つ可能性がある。ただ、「アプリケーション環境にあわせて適切な相性を特定する必要がある」とデータ・センター・フロンティアは指摘する。
また、アップタイム・インスティテュート(Uptime Institute)が最近実施したデータ・センター業界調査では、データ・センターでのリチウムイオン電池の使用に関する懸念はまだ払拭されていないことが明らかになった。
安全性と信頼性は、そのなかでも特に大きな懸念だ。リチウムイオン電池は、不具合を起こせば過熱して発火する可能性がある。
信頼性については、グーグルやマイクロソフトといった大企業が運営する規模のデータ・センターでは、いく層もの冗長性を実装しているため新しい技術を試験導入しやすいが、それ以外のデータ・センターでは保守的にならざるを得ないという実情もある。
コストはもう一つの懸念だ。リチウムイオン電池は、数年前まで鉛蓄電池のコストの4倍以上だった。しかし、リチウムイオン電池の価格は下がっており、今後も下がり続けると予想されることから、いずれ解消されると期待される。
アップタイムの調査に回答した企業の10%は、リチウムイオン電池を設置済みで、26%は設置を検討中だった。データ・センターの電源としてリチウムイオン電池の有用性がこれからさらに上がる可能性は高い。