Friday, August 04, 2017 10:04 AM
HP、バックパック型コンピュータを投入
ヒューレット・パッカード(HP)は、パソコン市場のニッチ分野ともいえるバックパック型コンピュータに新規参入した。
バックパック型コンピュータは、仮想現実(VR)ヘッドセットの人気を受けて登場した新分野。高品質のVR機能を走らせるだけの十分な演算力を持ち、かつ背負って歩き回れる形状であることが特徴だ。
テッククランチ誌によると、HPが投入した「Z VRバックパック(Z VR Backpack)」は、エヌビディア製のグラフィクス・カード「クアドロ(Quadro) P5200 GPU」を搭載している。モバイル・ワークステーションに匹敵するグラフィクス・カードがVR向けのバックパック型コンピュータに搭載されたのは初めて。同GPU(graphics processing unit)は、複雑なシミュレーションを実行し、最高水準のVR体験を可能にする。
Z VRバックパック本体の重さは10ポンド。内蔵電池によってコードレスで使える。出荷は9月の予定で、価格は3299ドルから。各種オプションを有料で追加できる。また、デスクトップ型として使うためのドッキング・ステーションものちに投入される。
仮想現実を趣味のゲームとして使うとすれば、Z VRバックパックは非常に高額の製品だが、仮想現実の最大用途としては設計業務が想定されている。模擬体験しながら設計することで、物理的な試作品の製作を省略できるのであれば、企業にとっては合理的な投資といえる金額だ。
テスラ「モデルS」の対抗馬を市場に送り込もうとしているルーシッド(Lucid)は実際に、仮想現実が生産前工程の経費削減に役立つことを証明している。
HPでは、Z VRバックパックが職能訓練目的でも効果を発揮すると説明している。