Friday, October 27, 2017 10:12 AM

スマート・スピーカー熱、2年後には冷え込むか

 俗にスマート・スピーカーと呼ばれる家庭用仮想執事端末は昨今、もっとも売れる消費者向け電子製品として期待され、激戦市場にも位置づけられるが、2年以内には急降下するという予想が早くも浮上している。

 同市場は、先駆者のアマゾン(Amazon)が最初に出したエコー(Echo)によって開拓されたあと、グーグル(Google)が対抗製品のグーグル・ホームを発売しことで市場拡大が加速した。

 また、アップル(Apple)が2017年秋にも参入する計画を進めている。さらにマイクロソフト(Microsoft)も、同社の人工知能コルタナ(Cortana)を基盤とした端末が数社の機器メーカーから発売されることを発表したばかり。

 そのほか、ソニーとパナソニック、東芝の子会社もスマート・スピーカー端末製品を発売する計画をすでに発表している。

 そのため、2017年の歳末商戦期(11月第4週の感謝祭明け金曜日からクリスマス直前まで)には、スマート・スピーカーの販売台数が「きわめて激増する」と技術コンサルティング会社アクティヴェイトのマイケル・ウルフCEOは予想する。

 しかし、スマート・スピーカーの土台となっている人工知能は、家庭用仮想執事端末から分離して応用市場を拡大することから、家庭用仮想執事端末ブームは2年で終わる、というのがウルフ氏の見方だ。

 同氏によると、アマゾンのアレクサ(Alexa)やアップルのシリ(Siri)、グーグルのグーグル・アシスタント、マイクロソフトのコルタナといった人工知能は、車や台所、家電にすでに搭載され始めており、各製品分野ごとのスマート化が今後さらに進むことから、スマート・スピーカーの存在意義が2年後には薄れる可能性が高い。

 スマート・スピーカー製品は、利用者の音声指示内容を理解してさまざまの要求に対応するが、実際の利用者らは、基本的な機能しか使っておらず、利用者の65%は追加機能を実装せずに使っている、と同氏は指摘した。

http://fortune.com/2017/10/17/smart-speakers-digital-assistants/