Wednesday, November 01, 2017 11:16 AM

世界のCO2排出量、大手250社で3分の1占める

 世界の大手企業250社の二酸化炭素(CO2)排出量は、世界の人為的な地球温暖化ガス排出量の3分の1を占めるという調査結果をトムソン・ロイターなどが発表した。これらの企業のうち、気温上昇を制限する強い目標を掲げている社はほとんどないという。

 ロイター通信によると、排出量の上位はインド国営石炭採掘会社コール・インディア、ロシアの天然ガス大手ガスプロム、米石油大手エクソンモービルの3社。報告書「Thomson Reuters Financial & Risk」は、「これらの企業が排出量を継続的に減らさない限り、気候変動の長期的なリスクを効果的に軽減することはできない」と警告した。

 250社のうち、排出抑制の強力な目標を設定していたのは約30%にとどまった。過去3年間の250社の排出量は横ばいだったが、2015年の「パリ協定」が定めた目標に沿って温暖化を抑えるには「1年当たり約3%下げるべきだった」と、報告書は指摘した。各社の排出量には、事業を通じた排出量のほか消費者が各社の商品を使う時に排出した量も含まれる。

 共同で調査を行ったのは、トムソン・ロイターのほかにコンステレーション・リサーチ&テクノロジー、排出量追跡団体のCDP、BSDコンサルティング。報告書を共同執筆したコンステレーションのデビッド・ルビン氏は「CEO250人という数は、地球の運命に大きな影響を及ぼす指導者を集められるとしたら比較的小さな集まりだ」と語った。