Thursday, December 14, 2017 10:56 AM
Tモバイルもインターネット・テレビ市場に参入
米携帯電話サービス業界3位のTモバイルUS(T-Mobile)は13日、インターネット動画配信市場に参入する成長戦略を打ち出した。
同社は過去4年間に、競合社たちへの積極的対抗策に大金を投じてきたが、米携帯電話サービス市場が飽和状態に近づいていることから、努力のわりに増収増益を見込めない。そのため、今後の成長を確保するには、1000億ドルというケーブルおよび衛星テレビ・サービス市場の一部を奪う作戦が現実的だと同社は判断したもよう。
フォーチュン誌によると、Tモバイルはそれに向けて、インターネット・テレビ・サービス新興企業のレイヤー3TV(Layer3 TV、デンバー拠点)を買収し、インターネット動画配信サービスを2018年に開始する計画を打ち出した。
同市場では、ネットフリックスやフールーといった大手の先行組のほか、グーグルやアマゾン、AT&T、ソニーがすでに参入していることから、厳しい市場競争に加わることになる。実際、グーグルは、市場競争の激しさや高コストを理由に、インターネット動画配信サービス「ファイバー」を拡張する計画を中断している。
ベライゾンのファイオス(FiOS)と同様にグーグル・ファイバーのような有線サービスは高コストであるため、インターネット動画配信事業は今後、設備投資の少ない高速無線通信網に移行する可能性が高い。Tモバイルもそれを視野に入れている。
Tモバイルは、消費者たちが加入しているインターネット接続サービスを使って動画を配信するため、新たな設備投資をほとんど必要としない。また、7100万人の携帯電話サービス加入者基盤と1万6000ヵ所の実在店舗という資産を背景に、動画配信サービス加入者の獲得を図る。
同社のインターネット動画配信事業の収入源は、標的広告技術を活用したテレビ広告枠の販売となる。