Wednesday, February 14, 2018 10:21 AM
ARM、スマートフォンでの機械学習機能を拡充
人工知能の技術進化が加速するなか、その応用の最前線の一つになるのがスマートフォンとみられ、ソフトバンク傘下の英ARMがその恩恵を受ける見込みだ。
省電力型チップの設計大手ARMの設計は昨今、ほとんどのモバイル端末に採用されている。
ホット・ハードウェア誌によると、ARMは13日、プロジェクト・トリリアム(Project Trillium)という事業のもと、機械学習と神経回路網の処理力を活用する新製品群をスマートフォン向けに拡大する方針を打ち出した。
プロジェクト・トリリアムは、1)機械学習用プロセッサー、2)物体検知プロセッサー、3)神経回路網による処理に特化したソフトウェア・ライブラリー、という三つで構成される。
機械学習用プロセッサーは、2018年下半期にARMの提携社(チップ・メーカー)らに供給開始され、物体検知プロセッサーは2018年第1四半期末までに提供開始される。神経回路網ソフトウェア・ライブラリーの投入時期については未発表。
機械学習用プロセッサーは、4.6TOPs(毎秒4.6兆回の演算、tera operations per second)の演算速度と3TOP/W(1ワットあたり3兆回の演算効率、tera operations per watt)のエネルギー効率で稼働するよう設計されている。
物体検知プロセッサーは、最少で50×60ピクセルの物体画像を毎秒60フレームのフル高精細でリアルタイム処理を可能にする。
その結果、2019年に発売されるスマートフォンの高位機種では、機械学習アルゴリズムを走らせる演算処理や、非常に小さい物体画像の微細詳細を高精細かつリアルタイムで処理できる機能、さらに、神経回路網ソフトウェア・ライブラリーによって他社製プラットフォーム間との相互運用が可能となる。